Storage Gatewayを必要な時だけ起動させて利用料を削減する検証

サービス概要

Storage Gatewayとは、オンプレミスやEC2をAWSストレージと接続するサービスです。Storage Gatewayの実態は、Storage Gateway用にAWSが準備したAMIイメージをもつEC2インスタンスで、マウント元のEC2インスタンスとS3とを標準マウントプロトコルで仲介します。
今回はマウントプロトコルとしてSMBを使用します。
Windowsクライアント:SMB ファイルシステムのバージョン 2 および 3 のプロトコル

目的・やりたいこと

お客様からStorage Gatewayの利用料を削減したいという要望が来ており、調査・検証を行う。
検証目的:Storage Gatewayの利用料の削減案の検討
Storage Gatewayを利用しない時間だけ停止させて、必要な時だけ起動させて利用料を削減できないか
→停止・起動の手順
→停止起動後の再マウントの要否
→削減額の試算

対象となる技術

概要図

作業の流れ

事前作業

1.以下の構成でS3ファイルゲートウェイを作成。ホストプラットフォームはEC2

2.ゲートウェイはパブリックに置く。

3.ファイル共有の作成。今回は踏み台がWindowsサーバーなのでプロトコルはSMBを選択

4.この状態で踏み台Winowsからマウントできるか確認

C:\Users\Administrator\Desktop>net use E: \\10.0.7.150\nozaki-codedeploybucket /user:sgw-55F5333C\smbguest
'10.0.7.150' に接続するための 'sgw-55F5333C\smbguest' のパスワードを入力してください:
コマンドは正常に終了しました。

S3のファイルが見れることを確認

検証手順

1.ここで該当EC2を停止。やがてFile Gatewayもオフラインに

2.するとファイル共有も使用不可能に

C:\Users\Administrator\Desktop>net use F: \\10.0.7.150\nozaki-codedeploybucket /user:sgw-55F5333C\smbguest
システム エラー 53 が発生しました。

ネットワーク パスが見つかりません。

3.再び該当EC2を起動。やがてFile Gatewayも実行中に

4.するとWindowsの方でも、再マウントすることなくそのままファイル共有が自動的に使用可能になることを確認できた。

5.ファイルも置けることを確認

削減効果

  • Storage GatewayのEC2(m5.xlarge、230GB)を1ヶ月フルに使用した場合

1 instances x 0.248 USD On Demand hourly cost x 730 hours in a month = 181USD
730 total EC2 hours / 730 hours in a month = 1.00 instance months
230 GB x 1.00 instance months x 0.096 USD = 22.08 USD (EBS Storage Cost)
合計203.12 USD

  • 半分だけ起動させた場合

1 instances x 0.248 USD On Demand hourly cost x 365 hours in a month = 90USD
365 total EC2 hours / 730 hours in a month = 0.50 instance months
230 GB x 0.50 instance months x 0.096 USD = 11.04 USD (EBS Storage Cost)
合計101.56 USD

つまり、起動時間を半減すればコストも半額になる計算。101.56USD=14,636円浮く計算になる。
https://calculator.aws/#/estimate?id=836b62bea98513d384756a5ae7203f3dc7abab4b

まとめ

  • Storage Gatewayを停止するには、単純に実体のEC2を停止すればよい
  • Storage Gatewayを停止⇨起動させると、マウントは自動マウントされる
  • 削減額の試算は、EC2(m5.xlarge、230GB)の稼働時間を半減させた場合、101.56USD=14,636円浮く